
「ある日、労働基準監督署から突然連絡があり、是正勧告を受けてしまった…」
「何から手をつけていいか分からず、本業に集中できない…」
中小企業の経営者様や労務担当者様にとって、労基署からの調査や指導は、大きな不安と負担を伴う出来事ではないでしょうか。
しかし、これは決して他人事ではありません。労基署からの指摘は、企業の労務管理体制を見直し、より健全な経営基盤を築くための重要な機会と捉えることもできます。
今回は、実際に当事務所の弁護士が代理人として労基署の対応を行い、円満に解決へと導いた事例をご紹介します。
企業様概要
業種
サービス業を営む
企業規模
従業員50名〜100名
ご相談時の状況
今回ご相談いただいたA社様。労基署から是正勧告と指導を受けた、とのことで、当事務所へご相談にいらっしゃいました。
多岐にわたる是正勧告と指導
労基署からの指摘は、下記のように多岐にわたっていました。
労働条件の明示義務違反
パート・アルバイトを含む従業員に対し、労働契約の締結時に法律で定められた項目(賃金、労働時間など)を明示した書面を交付していない。
割増賃金の規程不備
時間外労働や休日労働に対する割増賃金の計算方法に関する就業規則の規程が、法改正に対応できておらず不十分である。
その他、複数の指摘事項
A社担当者様は、初めての是正勧告・指導を受けたとのことで、どこから手をつければ良いのか、そして監督官にどう説明すれば良いのか悩んでおられるようすでした。
弁護士による具体的な対応
ご依頼を受け、当事務所の弁護士は、A社の代理人として、以下の対応を迅速に行いました。
まずは現状を正確に把握
最初に、A社の就業規則や個別の労働条件通知書、賃金台帳などの関連資料をすべてご提出いただき、法的な観点から問題点を精査しました。これにより、労基署の指摘事項に対するA社の現状を客観的に把握しました。
弁護士が全ての窓口となり、監督官と協議
直ちに担当の労働基準監督官へ連絡し、当職が代理人に就任した旨を伝え、今後のやり取りは全て弁護士を通すことを明確にしました。
これにより、経営者様や担当者様が直接対応する精神的・時間的負担を解消できたと思います。
その上で、監督官との対話を通じて、指摘の背景にある問題意識を正確に汲み取り、「会社として真摯に受け止め、法に則って適切に改善し、報告する」という姿勢を明確に伝え、信頼関係の構築に努めました。
会社の実情に合わせた規程の整備
指摘された問題点を解消するため、就業規則の改定や、従業員へ交付する労働条件通知書のひな形作成などを全面的にサポートしました。単に指摘箇所を修正するだけでなく、A社の事業内容や働き方の実情に合わせて、将来起こりうる労務リスクを予防する視点も盛り込んだ規程の整備をご提案しました。
是正報告書の作成と提出
全ての改善措置が完了した後、どのような対応を行ったのかを具体的にまとめた報告書を弁護士が作成し、労基署へ提出しました。法的な観点から、指摘事項に対して的確に対応したことを説明しました。
【結果】
指摘を受けた全ての項目について、誠実かつ適切に対応したことを報告し、労基基準監督官に納得してもらうことができました。結果として、本件は円満に完了し、A社の経営者様にも大変ご安心いただくことができました。
労基署対応を弁護士に依頼する3つのメリット
今回の事例からもお分かりいただけるように、労基署からの是正勧告等への対応を弁護士に依頼することには、以下のようなメリットがあると言えます。。
メリット1:精神的・時間的負担の軽減
労基署とのやり取りや、煩雑な書類作成、法規の調査といった全ての対応を弁護士が引き受けます。経営者や労務担当者の方は、慣れない労基署対応に頭を悩ませることから解放され精神的・時間的負担の軽減をはかることできます。
メリット2:専門家の的確な対応で、円満かつ迅速な解決が期待できる
弁護士は、法律の専門家として監督官の指摘の意図を正確に理解し、法的な論点を的確に整理して対応します。問題をこじらせることなく、スムーズな解決を目指すことができます。
メリット3:その場しのぎではない、将来の労務リスクを防ぐ体制を構築できる
単に指摘された箇所を是正するだけでなく、会社の未来のトラブル防止を見据えた労務管理体制の強化をご提案します。就業規則や各種規程を会社の実情に合わせて整備することで、今回の問題の再発を防ぐことはもちろん、他の潜在的な労務トラブルを未然に防ぐ「守りの経営基盤」を築くことができます。
まとめ
労基署からの連絡は、決して喜ばしいことではありませんが、自社の労務管理体制を見直す機会とも言えます。もし、労基署からの是正勧告や調査でお困りの際は、専門家である弁護士にご相談ください。貴社の状況を丁寧にお伺いし、最善の解決・改善策をご提案いたします。
まずはお気軽にお問い合わせください。